AI電話自動応答とは?IVRとの違いやメリット・デメリットを解説

電話業務は企業にとって大切なことですが、アナログでの対応は社員に大きな負担がかかります。「スタッフの負担をなるべく減らしたい」「顧客満足度を下げたくない」というお悩みを解決するなら、AI電話自動応答の活用を検討してみましょう。

今回は、AI電話自動応答とは何なのか、IVRとの違い、メリットやデメリット、AI電話自動応答サービスの選び方を解説します。

AI電話自動応答とは

AI電話自動応答とはどのようなものなのか、以下で簡単に解説します。

AIとは

AIとは、人工知能のことで「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」を略した言葉です。AIの概念自体は1950年ごろから存在していたとされています。1956年にアメリカにあるダートマス大学で行われたダートマス会議にて、「AI」という名称が使用され、今日に至っています。

AIに明確な定義はありません。しかし一般的には、人間の知能を機械によって人工的に再現するという意味合いで使われます。AIには学び考える能力とともに、自己学習能力があるのが特徴です。人間のように自ら学習し、知識を広げることができます。

AI電話自動応答とは

AI電話自動応答とは、AIが顧客の会話を聞いてその内容を把握した上で適切な回答をするサービスのことです。あらかじめ録音や設定された音声を流すのではなく、顧客の会話内容からAIが自己判断して回答をするのが特徴です。そのため、AI電話自動応答は人と話しているかのように柔軟性が高く、より適切に受け応えできます。

AI電話自動応答とIVRの違い

AI電話自動応答と似ている機能としてIVR(自動音声応答)があります。両者ともに、顧客から電話がかかってきた際に、社員の代わりに対応を任せることができます。そのため、電話の一次対応における社員の負担を軽減できます。また、待ち時間がなく確実に電話対応できるため、顧客満足度向上につながります。AIもIVRも人間が対応するわけではないため、24時間いつでも対応できるのも大きな特徴です。このように、似ている部分もある両者ですが、違いもあります。

IVRは、あらかじめ用意されている音声ガイダンスによって顧客対応を行います。顧客が自動音声の案内に従ってプッシュボタンを入力すると、着信は適切な担当者や部署につながります。一方、AI電話自動応答では、あらかじめ設定された音声ガイダンスではなく、AI技術によって柔軟な対応をできるのが特徴です。決まった音声しか流せないIVRとは異なり、合成された機械音声により、人間が行うのに近い音声対応ができます。そのため、IVRよりも高度な応答ができ、電話業務にも幅広く対応可能です。

AI電話自動応答の機能・活用例

AI電話自動応答にはさまざまな機能があります。以下で、ビジネスにおけるAI電話自動応答の実際の活用例を紹介します。

電話の一次受け

AI電話自動応答機能に電話の一次受けを任せることができます。

企業の代表電話には顧客や取引先などから電話がかかってきます。代表電話は大切な窓口ですから、基本的には速やかに電話に出て丁寧に受け応えしなければなりません。しかし、中には業務とは関係ない営業電話がかかってくることもあります。営業電話への対応はコア業務の遅延や社員にとってのストレスになることでしょう。

AI電話自動応答を導入すれば、電話の一次受けを任せられます。AIによって顧客の用件を聞き取り、担当から折り返すなどの案内をすることも可能です。もちろん、迷惑な営業電話に出る必要もなくなりますので、社員の負担も大きく軽減できることでしょう。

予約受付・キャンセル対応の自動化

AI電話自動応答を導入すれば、予約受付やキャンセル対応も自動化できます。

ネット予約が普及したいまでも、電話で予約するケースは少なくありません。例えば飲食店の場合、人数や料理などの条件を細かく伝えたいなどの理由から予約を電話で行うことがあります。

AI電話自動応答があれば、予約受付はもちろんキャンセル対応を自動対応できるようになります。そのため、スタッフの負担軽減はもちろん人件費の削減も実現可能です。リマインドコール機能も活用すれば、予約を忘れられてしまうリスクも減らせるため、さらにスタッフの負担や店舗へのダメージを減らすことができるでしょう。

支払期日確認の電話発信

支払期日確認の電話も、AI電話自動応答により自動化可能です。

借金などの支払期日の確認や督促は、自社が利益を得るためには確実に行わなければなりません。しかし、そういった電話は相手方だけでなく、電話をかけるオペレーターにも強いストレスがかかります。そのため、直接電話をするのはなるべく避けたいと考えるスタッフも多いことでしょう。

AI電話自動応答を活用すれば、スタッフが顧客へ直接電話をかける必要はありません。AIが自動で支払期日など必要な情報を顧客に伝えますので、ストレスが軽減されます。

サービス申し込み・解約・変更の手続き

AI電話自動応答では、各種サービスの申し込み・解約・変更などの手続きも自動で行えます。

ネットが普及した現代では、サービスの申し込みはスマホなどを使ってWebで行うのが一般的です。しかし、通話して確認しながらやり取りしたいと考える人も少なくありません。オペレーターにとっては、電話をしながらPCを見て申し込み・解約・変更の手続きを進める必要があるためとても手間がかかります。

AI電話自動応答が導入されていれば、Web手続きと同じようにこうしたサービスの申し込みなどの手続きを自動化できます。そのため、オペレーターの負担軽減・人員削減を実現可能です。

荷物の再配達・配達時の在宅確認

AI電話自動応答は荷物の再配達や配達時の在宅確認にも活用できます。

ネット社会の現代では、ネット通販の利用数が右肩上がりに増えています。それに伴い、物流業界の業務量が増加し、人手不足が深刻化しています。通常の配送だけでも手一杯な状態であり、再配達があるとスタッフの負担はかなり大きくなってしまいます。

AI電話自動応答があれば、配達時の在宅確認を自動で行えるようになります。配達前に在宅状況が分かるため、効率良く配達できるようになるでしょう。また、再配達の手続きを自動で行えるため、配送スタッフの負担を軽減できます。

営業時間・診療時間の案内

営業時間や診療時間の案内もAI電話自動応答で対応可能です。

営業・診療時間外の着信には基本的に対応できません。それは企業にとって機会損失であり、顧客からすれば「せっかくかけたのに」と不満につながってしまうものです。

営業時間外でもAI電話自動応答を活用すれば、営業・診療時間を自動で案内できます。顧客はAIによって営業・診療時間を案内されて満足できますし、企業側も機会損失を減らせることでしょう。

AI電話自動応答の活用が向いている業種

AI電話自動応答にはさまざまな機能があります。こちらでは、それらの便利な機能の活用が向いている業種について解説します。

金融

金融機関は顧客からの問い合わせ対応が多くあり、AI電話自動応答サービスのニーズが高い業種です。

例えば金融機関では、口座開設やカード再発行手続きの案内、資料請求の案内、店舗案内、未納の顧客への架電などで電話対応が必要になります。近年は、問い合わせ数の増加やオペレーター不足もあり、顧客を待たせてしまうことが少なくありません。

しかし、AI電話自動応答を導入すれば、これらの定型的な電話対応を自動化できます。例えば、業務管理システムと連携してリストを自動作成して未納の顧客へ自動架電できるため、業務負担を減らせます。さらに、未納顧客への架電はオペレーターにとってストレスになりがちですが、AI電話自動応答を活用すればその精神的負担を減らせます。

インフラ

AI自動電話応答は、インフラ業界での導入にも向いています。

電気・ガス・水道などのインフラ業界では、サービスの申し込みや変更、支払い状況の確認などで顧客から多くの電話がかかってきます。これらの問い合わせ内容は定型的な内容であり、一つひとつを見ればシンプルなものです。そのため、AI自動電話応答を活用して自動対応させられます。

例えば、支払い状況の確認であれば、顧客から識別するIDや個人情報などを伝えてもらい、それをAIが認識してデータベースで情報を検索します。得られた情報を顧客に自動音声にて伝えれば顧客は満足してくれることでしょう。さらに詳細が知りたい、その他の質問をしたいという場合にもオペレーターに切り替えることも可能です。

飲食

飲食業界でもAI電話自動応答の導入メリットがあります。

レストランなどの飲食業では、顧客から予約に関する電話が多くかかってきます。従業員は厨房やホール業務をこなしながら電話対応をしなければなりません。混み合っている時間だと電話に出られない、焦って聞き間違いをするといったトラブルが発生することもあります。

AI電話自動応答を導入すれば、混み合っている時間もスムーズに予約受付が可能です。AIならば焦って聞き間違えることもありませんので、予約に関するトラブルもなくせます。また、予約日前日のリマインドも設定できますので、顧客満足度向上につながります。

ホテル

AI電話自動応答はホテルでも活用できるシステムです。

ホテルなどの宿泊業では、顧客から空室状況や予約に関する電話がかかってきます。スタッフは受付や事務などの業務を行いながら電話対応もしなければなりません。宿泊業は人手不足が深刻化している業種の一つであり、電話対応までこなすとなればかなりの負担となります。

AI電話自動応答システムを導入すれば、簡単な内容の電話であれば自動対応できますので、スタッフの負担を大きく軽減できることでしょう。例えば、予約の自動化もできますし、SMSでURLを送信して顧客に自己解決を促すこともできます。待たされることがなくなりますので、顧客満足度も高まっていくことでしょう。

美容

美容業界でもAI電話自動応答システムは活用できます。

例えば美容室では、髪のカットやセット、カラーリングなどを対面で行います。顧客が理想とするスタイルを実現するため、繊細な技術とセンス、そして集中力が必要とされます。しかし、予約や問い合わせなどの電話が入ると業務を一時中断して対応しなければなりません。そうなれば、集中力が切れますし顧客を待たせてしまいます。

AI電話自動応答を導入すれば、電話の一次受けを任せられます。予約・変更・キャンセルなども自動化できますので、スタッフは目の前の顧客に集中できます。

不動産

AI電話自動応答は不動産業界でも便利に活用できます。

不動産業では、顧客への物件紹介や内見、事務作業などがあります。そこに電話対応まで入ってしまうとスタッフに負担がかかることでしょう。内見している際に電話がかかってきてしまうと対応できないこともあります。

AI電話自動応答を導入すれば、電話の一次受けや定型的な電話対応を自動化できます。そのため、例えば内見をしている最中であっても、AIが自動で対応してくれますので機会損失を防げます。

物流

AI電話自動応答は物流業界でも活用できるシステムです。

荷物を配達する際は、効率良く荷物を届けるために配達先の在宅確認を電話で行うことがあります。しかし、運転中は電話できませんし、荷物を運びながらの在宅確認も難しいことでしょう。また、再配達依頼の電話もかかってくることがあり、配送スタッフには負担がかかります。

AI電話自動応答があれば、在宅確認や再配達の対応を自動化できます。これにより、スタッフは荷物を運ぶことに集中でき、配送を効率化できます。

医療・クリニック

医療機関でもAI電話自動応答は便利に活用できるシステムです。

病院やクリニックなどの医療機関では、高齢化が進み医療を必要とする人が増えている一方で、人手不足が深刻化していることが問題になっています。そのような状況で電話対応もするとなると、スタッフに負担をかけてしまいますし、待たされる患者も不満を感じてしまうことでしょう。

AI電話自動応答を導入すれば、さまざまな電話業務を自動化できます。例えば、予防接種や検診の予約など定型的な内容であれば、AIが処理してくれます。診療時間外の電話にも対応し、診療時間案内も自動化してくれますので、患者にとっても安心感があります。

自治体

AI電話自動応答はさまざまな業務を行う自治体にとって利便性の高いシステムです。

自治体では、粗大ごみの申し込みや高齢者の見守り、その他行政サービスに関する問い合わせなど、さまざまな世代に向けた電話対応を行わなければなりません。さらに、事務作業や対面での相談対応などもあります。限られた人材しかいない状況であることから、電話対応をすることは職員にとって大きな負担です。

AI電話自動応答を導入すれば、電話対応を自動化して職員の負担を大幅に軽減できます。例えば、粗大ごみを始めとした予約サービスは定型的なものであるためAIでの処理に向いています。他にも、ワクチンや地域サービスの予約なども自動化可能です。災害時の一斉連絡もAIで実施できますので、自治体の業務が大幅に改善されることでしょう。

AI電話自動応答のメリット

AI電話自動応答にはどのようなメリットがあるのか、以下で解説します。

社員の負担が軽減する

電話対応における社員の負担を軽減できることが、AI電話自動応答の大きなメリットです。

電話は企業にとって大切な窓口であり、電話対応は重要な業務の一つです。しかし、電話対応するためには、コア業務を中断する必要があるため、社員にとっては負担となることでしょう。

AI電話自動応答を活用すれば、電話の一次受けを任せることができるため、スタッフの負担が軽減されます。基本的にはコア業務に集中し、必要な電話にのみ対応すれば良くなりますので、企業全体の業務効率もアップすることでしょう。

非営業時間の対応も可能

AI電話自動応答を活用することで、営業時間外の対応も可能になるのはメリットといえます。

営業時間外は基本的に電話対応ができません。それは仕方のないことですが、顧客からすると不満を感じるものでもあります。

AI電話自動応答を活用すれば、24時間いつでもAIによる電話対応が可能になります。営業時間外でも、営業時間の案内など適切なアナウンスができるようになれば、顧客満足度向上につながることでしょう。

離脱を防ぎ機会損失を防ぐ

機会損失を防げるのもAI電話自動応答のメリットです。

着信の多い企業の場合、電話対応をしきれない場合があります。取りきれなかった電話が重大な内容であった場合、企業にとっては機会損失につながります。

AI電話自動応答で一次受けができれば、重要な電話も逃すことなく適切に対応できるため、機会損失を防げます。

顧客満足度が向上する

AI電話自動応答を活用すれば、顧客満足度も向上しやすくなります。

スタッフ数が少ない場合、全ての電話に対応しきれません。それは企業にとっては機会損失につながりますし、顧客からすれば不満・ストレスを感じるものとなることでしょう。

AI電話自動応答に一次受けを任せれば、スタッフ数が少なくてもAIにより電話対応できます。電話につながり用件を伝えられるため、顧客満足度が向上しやすくなります。

AI電話自動応答のデメリット・注意点

AI電話自動応答には、以下のようなデメリットや注意点もあります。

複雑な電話は対応できない

AI電話自動応答は、複雑な受け応えには対応できませんので注意しましょう。

AI電話自動応答は、顧客の用件に対してAI自身が判断して応答します。しかしそれは、事前に用意されたシナリオに沿って行われるため、複雑な内容や特殊なケースには対応できません。また、相手方の話し方や通信環境によっては音声認識がうまくできず、対応が困難になることもあります。

分析やチューニングが必要

AI電話自動応答を利用するのであれば、常に分析・チューニングが必要です。どのような内容の問い合わせが多いのかを確認して、より適切かつスムーズに対応できるように調整しましょう。また、効果測定などを行って分析したり、顧客からの意見も取り入れたりするなどしてブラッシュアップすることが大切です。

AI電話自動応答サービスの選び方

さまざまなAI電話自動応答サービスの中から、自社に合うものを選ぶためのポイントを解説します。

問い合わせ形態に合ったサービスを選ぶ

自社の問い合わせ形態にあわせてサービスを選びましょう。

例えば、カスタマーセンターなどであれば同時着信数の上限は必ず確認すべきです。オペレーターへ自動でつなぐ機能があれば、AIとオペレーターで柔軟に対応できるようになります。

他の機能の有無や併用可否で選ぶ

AI電話自動応答以外の機能があるか、または他システムと連携できるかも確認しましょう。

企業によって求められる電話業務の内容はさまざまです。例えば、カスタマーセンターなどであれば、AI電話自動応答とともに、予約台帳システムなどに顧客情報を自動登録できる機能があると便利です。自社の電話業務の内容にあわせて、必要な機能やシステム連携できるかをチェックしましょう。

音声認識率で選ぶ

音声認識率はAI電話自動応答サービス選びで最も重要なポイントです。

AI電話自動応答では、相手方の音声をAIが認識できなければ正しく対応できません。音声認識率が低いサービスの場合、顧客と企業の間でのすれ違いが起きてしまい、将来的にクレームや訴訟などのリスクも高まります。音声認識率の高いサービスをぜひ選びましょう。

AI電話自動応答と03plusを併用してもっと便利に!

03plusとAI電話自動応答を併用すれば、電話業務をさらに効率化できます。

03plusは全国主要46局の市外局番付き電話番号を取得できるクラウドPBXサービスです。スマホからでも代表電話番号で発着信できるため、外出・出張・リモートワーク中も電話対応できます。AI電話自動応答サービスとの併用ももちろん可能です。例えば、電話の一次受けはAIで行って、詳しい案内や説明などは担当者が行うことができます。一次受けにおける社員の負担を軽減し、スムーズな対応により顧客満足度向上を図れます。コア業務にも集中できるようになりますので、業務効率化にもつながることでしょう。

豊富な機能を活用できるのも03plusの特徴です。顧客の連絡先をネット上で一元管理できるWeb電話帳、スマホからでもクラウド上でFAXの送受信ができるクラウドFAXなど、電話業務の効率化を実現する機能がたくさんあります。

「電話業務の効率を見直したい」「スタッフの負担を減らして人件費を削減したい」とお考えなら、AI電話自動応答とともに03plusの導入もご検討ください。

03plusについて詳しくはこちら

まとめ

今回は、AI電話自動応答について解説しました。

AI電話自動応答とは、顧客からの電話対応をAIによって行うサービスのことです。電話の一次受けを任せられるため、電話業務におけるスタッフの負担を減らせます。24時間いつでも対応できるようになるため、顧客満足度も向上しやすくなります。ただし、AIは万能というわけではなく、複雑な内容には対応できない点には注意が必要です。自社の業務にあわせて、サービスを選んで適切にチューニングすることが大切です。

電話の一次受けだけでなく、総合的な電話業務の効率改善を図るならクラウドPBXとの併用も検討してみましょう。リーズナブルで多機能な03plusなら、AI電話自動応答とも併用しやすいのでおすすめです。

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