各種電話システムの初期費用・ランニングコスト比較

電話システムの費用は、本体の料金だけでなく、番号・回線、通話料、端末、IVRや通話録音、クラウドFAXなどの追加機能、電話代行などの関連サービスまで含めて見る必要があります。この記事では、主要な電話システムの費用目安と見積もりで確認すべき項目を分けて整理します。

電話システムの費用を比べるときは、最初に項目を分けます。ビジネスフォン、クラウドPBX、IP電話アプリは「電話システム本体」です。この記事では、オンプレミスPBXを含む設置型の電話システムをまとめてビジネスフォンと呼びます。一方、0ABJ番号、050番号、0120/0800などの番号種別、番号ポータビリティ、電話回線、インターネット回線は「番号・回線」の費用です。IVR、通話録音、ACD/CTI、クラウドFAXは追加機能、電話代行は関連サービスとして扱います。

この分け方をしないと、電話サービスそのものと、あとから足す機能や外部サービスが混ざり、見積もりを正しく比較できません。初期費用だけでなく、月額基本料、ID数、番号数、通話料、端末費、保守費、オプション、移行費まで含め、3年または5年の総額で見ると判断しやすくなります。

なお、ビジネスフォンとクラウドPBXの使い分けはビジネスフォンとクラウドPBXのコスト・機能比較、クラウドPBX同士の選定軸はクラウドPBXを比較するときのポイント、小規模事業者の導入判断は個人事業主・小規模オフィスに最適な電話システムで詳しく扱っています。本記事では、電話システム全体の費用項目と総額比較に絞って整理します。

電話システム本体の種類と費用目安

電話システム本体は、機器を自社側に設置するか、クラウドサービスとして使うかで費用構造が変わります。金額は規模、拠点数、電話機台数、同時通話数、保守範囲、契約条件によって変わるため、ここでは見積もり前の目安として整理します。

本体の種類 向くケース 初期費用目安 月額費用目安 主な変動要因
ビジネスフォン 固定席中心、専用電話機で代表電話を受ける会社。オンプレミスPBX寄りの大規模拠点や複数拠点で、自社側の機器による制御が必要な会社 小規模でも数十万円〜100万円前後、大規模構成では数百万円以上になることがある 回線基本料、保守費、リース料、ライセンス更新、運用費で変動 主装置・PBX本体、電話機台数、配線工事、冗長化、同時通話数、保守契約
クラウドPBX 在宅勤務、外出先対応、拠点追加、スマホ内線を使いたい会社。03plusのように会社番号の発着信や内線機能をクラウドで使うサービスもここに含めて比較する 0〜数万円程度のサービスが多い 1ユーザーあたり数百円〜数千円程度が多い ID数、番号数、通話料、オプション
IP電話アプリ 少人数、スマホ中心、050番号を低コストで使いたい会社や個人事業主 0〜数千円程度 1番号・1IDあたり数百円〜数千円程度 050番号の利用料、発信方法、ID数、端末

費用比較では、ビジネスフォンとオンプレミスPBXを必要以上に別物として分けるより、「自社側に機器を設置する方式」として見ると整理しやすくなります。おおまかには、小規模オフィスで主装置と専用電話機を置く構成をビジネスフォン、大規模・複数拠点・高度な着信制御や冗長化まで含める構内交換設備をオンプレミスPBXとして整理できます。本記事ではどちらもビジネスフォンに含め、機器、配線、設置工事、保守、リースや更新費が費用の中心になる方式として扱います。

ビジネスフォンは、新品購入では初期負担が大きく、リースでは毎月の支払いと契約期間を確認します。既存設備を使い続ける場合も、保守終了、故障時の交換、移転時の再工事費、リース残債を確認します。オンプレミスPBX寄りの構成では、PBX本体、ライセンス、ネットワーク機器、冗長化、設計構築、障害対応体制まで含めるため、初期費用と運用負担が大きくなりやすいです。

クラウドPBXは、PBX機能をクラウドで利用する方式です。主装置や大規模な電話配線工事が不要になりやすく、初期費用を抑えやすい一方、ID数、番号数、通話料、IVRや通話録音などのオプションで月額が変わります。スマホ内線、在宅勤務、外出先での会社番号発着信、複数拠点の一元管理を重視する場合に候補になります。03plusは、クラウドPBXです。市外局番付き番号をスマホアプリ、専用IP電話機、宅内機器、ソフトフォンで利用でき、通話録音やIVR、クラウドFAXなどの機能が利用できます。

IP電話アプリは、主に050番号をスマホアプリで発着信する構成です。少人数で始めやすく、初期費用や月額を抑えやすい反面、顧客からの番号の見え方、会社番号としての使いやすさ、緊急通報や一部番号への発信条件、通話品質、対応端末を確認します。050番号そのものは本体ではなく、次の「番号・回線」の費用として分けて見ます。

番号・回線にかかる費用は本体費用と分けて見る

電話番号や回線は、電話システム本体とは別の費用項目です。0ABJ番号、050番号、0120/0800、番号ポータビリティ、電話回線、インターネット回線を分けて確認します。

項目 発生しやすい費用 確認する事項
0ABJ番号 番号取得費、月額番号料、本人確認関連の手数料 提供エリア、利用住所、契約名義、発信番号通知
050番号 月額番号料、通話料、アプリ利用料 顧客からの見え方、緊急通報、一部番号への発信可否
0120/0800 初期費用、月額基本料、着信課金、転送料 月間着信数、転送先、受付時間、番号継続
番号ポータビリティ 番号移転費、切替作業費 現在の回線事業者、契約名義、番号種別、移行先対応範囲
電話回線 回線基本料、工事費、機器費、休止・解約関連費 番号種別、同時通話数、既存回線の継続可否、停電対策
インターネット回線 回線基本料、工事費、ルーター、Wi-Fi整備、LAN整備 クラウドPBXやIP電話アプリでの通話品質、帯域、社内LAN、停電対策

0ABJ番号は、03や06などの市外局番付き番号です。地域性や信用感を重視する法人では候補になりますが、利用住所、本人確認、提供エリア、移転時の継続条件を確認します。050番号は導入しやすいサービスもありますが、緊急通報や一部番号への発信可否、取引先からの見え方を確認します。

0120/0800は、着信側が通話料を負担する番号です。月額基本料だけでなく、着信課金、転送時の通話料、月間着信数も含めて試算します。03plusの0120/0800基本サービスは、初期費用2,000円、月額2,250円です。着信時には別途通話料がかかります。金額はいずれも税抜です。

既存番号を使い続ける場合は、番号ポータビリティや番号移転の条件を確認します。契約名義、設置場所住所、現在の回線事業者、番号種別、移行先サービスの対応範囲によって可否や手続きが変わります。03plusの番号移転は、対応する番号の場合、費用例として初期費用2,000円、月額0円です。移行中の二重契約、切替日、旧契約の解約順序も総額に影響します。

電話回線は、ビジネスフォンや既存の固定電話番号を使う構成で発生しやすい費用です。回線基本料、工事費、同時通話数、番号継続、停電時の扱いを確認します。クラウドPBXへ移行する場合でも、既存番号の移転が完了するまで旧回線を一定期間残すことがあり、その期間の費用も見積もりに入れます。

クラウドPBXやIP電話アプリでは、インターネット回線の品質も費用に関わります。既存回線で足りるか、ルーター交換、Wi-Fi改善、PoEスイッチ、LAN配線、停電対策が必要かを確認します。通話品質が不安定だと折り返しや聞き直しが増え、業務時間の損失にもつながります。一方、従来型の電話回線だけで使うビジネスフォンなど、電話システムがインターネット回線を使わない構成では、インターネット回線費を電話利用の直接費用に含めないほうが比較しやすくなります。

追加機能の費用: IVR・通話録音・ACD/CTI・クラウドFAX

IVR、通話録音、ACD/CTI、クラウドFAXは、電話システム本体ではなく追加機能です。標準機能に含まれるか、オプション料金になるか、番号単位かID単位か、保存容量や分岐数に上限があるかを確認します。

IVRは、用件別振り分けや営業時間外案内に使う機能です。分岐数、音声ガイダンス作成、転送先数、休日設定、変更作業の範囲で費用が変わります。受電件数が少ない場合は、複雑な分岐を作るより、営業時間外案内や簡単な振り分けに絞ったほうが運用しやすいことがあります。IVRの分岐後にSMSで案内URLや予約フォーム、折り返し受付先を送る機能を使う場合は、SMS送信料も確認します。SMS送信は1通ごとの従量課金になることが多く、一般的なSMS送信サービスでは1通6〜20円前後が一つの目安です。ただし、長文、送信先キャリア、送達確認、双方向対応、送信元番号などの条件で変わります。

通話録音は、応対品質の確認、教育、トラブル時の事実確認に使います。録音対象、保存期間、容量、検索、ダウンロード、閲覧権限、削除ルールを確認します。月額固定の場合もあれば、容量や保存期間で費用が変わる場合もあります。

03plusのオプションでは、IVRは月額3,800円、通話録音は月額4,000円です。料金は税抜で、変更される可能性があるため、契約前に料金表と見積書で確認します。

ACD、CTI、CRM連携は、問い合わせ窓口やコールセンター寄りの機能です。オペレーターID数、同時着信数、キュー管理、レポート、顧客管理システム連携、初期設定費で金額が変わります。本格運用では個別見積もりになることが多いため、受電件数、同時対応人数、連携したいシステムを先に整理します。

クラウドFAXは、FAX番号、送受信枚数、保存容量、ユーザー数、通知方法で費用が変わります。03plusのクラウドFAXは1番号または1IDあたり月額650円です。受信料金は無料ですが、送信時は通常20円/30秒の送信料金がかかるため、送信枚数が多い場合は定額オプションの有無も確認します。複合機FAXを残す場合は、回線基本料、紙、トナー、保守、保管スペースも比較対象です。

関連サービスの費用: 電話代行

電話代行は、電話システム本体ではなく関連サービスです。社内で電話を受けきれない時間がある場合に、必要な分だけ総コストへ加えます。

電話代行は、社内で受けきれない電話を外部スタッフが一次受付するサービスです。小規模な一次受付なら月額1万円〜3万円程度から検討できるサービスがあり、受付件数、夜間・休日対応、専門的な応対、報告方法の指定が増えると月額5万円〜10万円以上になることもあります。月額基本料、受付件数、超過料金、受付時間、報告方法、応対範囲、緊急連絡の扱いで費用が変わります。また、外線転送で電話代行につなぐことが多いため、その場合は転送通話料が発生します。クラウドPBXやビジネスフォンの代替ではなく、電話に出られない時間を補うサービスとして見ます。

初期費用とランニングコストで確認する項目

初期費用では、主装置、PBX本体、電話機、IP電話機、宅内機器、ヘッドセット、ルーター、PoEスイッチ、LAN配線、設置工事、初期設定を確認します。番号取得、番号移転、IVRシナリオ作成、音声収録、既存設備撤去、旧契約の違約金、リース残債も見落としやすい項目です。

03plusで専用IP電話機を利用する場合は初期費用14,300円、月額650円、宅内機器は初期費用11,300円、月額650円です。クラウドPBXでも、端末や宅内機器を使う場合は初期費用と月額が加わります。

ランニングコストでは、月額基本料、ID課金、追加ID、番号利用料、追加番号、同時通話数、通話料、転送料、保守費、ライセンス更新、サポート費を確認します。IVR、通話録音、クラウドFAX、0120/0800、電話代行も、必要な場合は月額に加えます。支払方法によっては、振込手数料、決済事務手数料、請求書発行手数料、保証金などが発生する場合もあるため、見積もり時に確認してください。

03plusの基本料金は1台あたり月額1,280円、初期費用5,000円、スマホアプリ向けの10分かけ放題付きは1台あたり月額2,280円、初期費用5,000円です。通話料は、アプリ発信が20円/30秒、専用IP電話機・宅内機器から市外局番宛が8円/3分、携帯電話宛などが17.5円/1分です。追加IDは初期費用5,000円、月額900円、追加番号は月額300円です。いずれも税抜です。別途、決済額に対する事務手数料、ユニバーサルサービス料、電話リレーサービス料などが発生するため、見積もりでは総支払額で確認します。

3年・5年の総額で比較する方法

電話システムは、初期費用だけで比べると実態とずれます。比較するときは、同じ期間、同じ人数、同じ番号数、同じ通話量で条件をそろえます。

3年総額は「初期費用 + 月額費用 × 36 + 想定通話料 × 36 + 追加・移行費」で計算します。5年総額は「初期費用 + 月額費用 × 60 + 想定通話料 × 60 + 更新・保守・撤去費」で見ます。

1〜3人なら、050番号中心のIP電話アプリやクラウドPBXが初期費用を抑えやすい候補になります。5〜10人なら、クラウドPBXとビジネスフォンを、端末費、通話料、保守費まで含めて比較します。20人以上、複数拠点、問い合わせ窓口がある会社では、クラウドPBX、ビジネスフォンの更新、既存設備の継続を総額で比べます。

見積もり前には、利用人数、拠点数、電話番号数、同時通話数、月間通話時間、発信先内訳、受電件数、既存番号の継続要否、FAX番号の有無を整理します。必要機能は、内線、保留、転送、IVR、録音、ACD/CTI、クラウドFAXに分けます。端末は、スマホ、PC、IP電話機、既存電話機のどれを使うかを決めておくと、各社の見積もり条件をそろえやすくなります。

料金は変更される可能性があります。契約前には料金表、見積書、重要事項説明、通話料単価表、オプション料金表を確認します。最低利用期間、解約金、番号移転時の費用、録音データの取り出し費、ネットワーク整備費、将来の増員や拠点追加も比較表に入れておくと、導入後の追加費用を見落としにくくなります。

よくある質問

電話システムで一番安いのはどれですか

少人数でスマホ中心に使うなら、050番号中心のIP電話アプリやクラウドPBXが初期費用を抑えやすい候補になります。既存の電話機や配線を活用できる場合は、ビジネスフォンを継続したほうが移行費を抑えられることもあります。「本体 + 番号・回線 + 通話料 + 追加機能 + 関連サービス」の総額で比較します。

ビジネスフォンとオンプレミスPBXは別々に比較すべきですか

小規模オフィスの主装置と専用電話機を置く構成をビジネスフォン、大規模・複数拠点・高度な制御向けの構内交換設備をオンプレミスPBXとして整理すると分かりやすいです。規模は違いますが、機器購入、配線工事、保守、更新費が大きな費用項目になる点は共通しています。

ビジネスフォンとクラウドPBXの費用差はどこに出ますか

ビジネスフォンは主装置、電話機、配線、工事などの初期費用が大きくなりやすいです。クラウドPBXは初期費用を抑えやすい一方、ID数、番号数、通話料、IVRや通話録音などのオプションで月額が増えます。両者の運用面まで含めた比較は、ビジネスフォンとクラウドPBXの比較記事で確認してください。

IVRや通話録音は電話システム本体の費用に含めてよいですか

IVRや通話録音は、電話システム本体ではなく追加機能として分けます。標準機能に含まれるか、オプション料金になるか、月額固定か従量課金かを確認します。IVRは分岐数や転送先数、通話録音は保存期間や容量、閲覧権限で費用が変わります。

050番号と0ABJ番号では費用以外に何を確認すべきですか

050番号と0ABJ番号では、番号の見え方、住所条件、本人確認、緊急通報、番号ポータビリティ、提供エリアが異なります。番号種別は電話システム本体ではなく、番号・回線費用として整理します。050番号をIP電話アプリで使う場合は、会社番号として取引先に案内して問題ないかも確認します。

見積もりを取る前に何を準備すればよいですか

利用人数、番号数、拠点数、同時通話数、月間通話時間、受電件数、必要機能、既存番号の継続要否を整理します。各社へ同じ条件を伝え、初期費用、月額、通話料、端末費、オプション、番号移転費、最低利用期間、解約条件を横並びで比較します。